2011年11月22日火曜日

オペラシティギャラリー〜デザイナーズビレッジ


 こんばんは、leucadendronの長身でシュッとした男の方こと、イケメンだけど暗くて理屈っぽくてしつこいやつこと、でも話したら意外といい奴こと、もういいや、どうも、山中だよ。みんな元気?笑
 先週から今週にかけて、私たちの周り(一つは間接的、もう一つは直接的)な展示がありまして、良くも悪くも私たちを揺さぶるものでした。
 具体的に何があったかと言いますと、タイトルにもあります通り、一つは、初台のオペラシティギャラリーで行われている、『感じる服考える服 東京ファッションの現在形』展、もう一つは、台東区デザイナーズビレッジで行われた、ここのがっこうの展示企画『work in progress』です。この二つの展示に関して、文字通り「work in progress」な私が、「感じた」こと「考え」てみようと思います。
 以下で書くことはごくごく個人的な感想なのでご了承下さい。また、感情的なクレーマー体質で、物事を考える前に反射的に指が動いてツイートしてしまう幼児退行にドライブが効き過ぎている方、参加ブランドの中に、溢れんばかりの母性のような愛情を注いでいるブランドがある方、または、そのブランドの関係者、この企画の関係者の方は、悪いことは言いませんからここから先は読まないでください。笑(書きながら、何人か顔が浮かんでいます。)
 まず、『感じる服、考える服』展ですが、総評としては、私たちの評価は、「正直、期待はずれ」と言った内容でした。(もちろんご覧になった方によって、様々な見方があり、一概には言えない部分は多々あるとは思いますが。)これまで、いくつかのファッションについての展示を見てきましたが、その中でも屈指の退屈さでした。
 最初に断っておきますと、今回の展示を観て、それが私たちとって「よくない」と映った最大の原因はキュレーションのまずさにあると私たちは感じています。むしろ、参加ブランドはあのキュレーションや空間構成によって限られたスペースでそれぞれ健闘していたのではないでしょうか。(健闘及ばずというブランドが少なくなかったのもまた事実ですが。)
まず、現代の東京ファッションを語るという意味で、ベストなチョイスであるとは到底思えない参加ブランドの選択。(具体的にどのブランドが必要で、どのブランドが不必要であったかは宴席でしか言いませんが。というかとても言えない。笑)
詳しい事情は、興味も情報も持ち合わせていないので書きませんが、いくつかのブランドに参加オファーを断られたのではないかと邪推してしまいました。
 あれがリアルなTOKYOを表現する為の選択だとは私たちにはとても思えません。参加ブランドのチョイスがベストであったのかは定かではありませんし、あれがベストだったとしても、一般的には、名の通ったと思われるブランドが一堂に会してこの程度かという印象は拭えません。
 そして、参加ブランドの多くが消化不良、不全感を抱えているのではないかと思ってしまう空間構成を含めた展示方法。これは、普通に歩いていたら頭を打ってしまう程低く設置された梁によって、空間を間仕切り、各ブランドの展示スペースを確保するという中村竜二氏による空間構成もさることながら、会場がオペラシティミュージアムという今回の企画をするには広くもなく、かといって、狭くもないという中途半端な広さの(行かれたことがある方ならお分かりかと思いますが、通常の個展であれば何ら問題ないと思われる広さです。)スペースであのブランド数を同時に展示するという企画自体にやや窮屈さを感じるところが否めないでしょう。過去の中村氏の作品を見ても今回なぜあのような手法を用いたのか疑問が残ります。目新しさに走り過ぎて観る側は置いてけぼりと言った感じ。新しければ何でもいいといわけではありません。
 悪口(私は批評のつもりです)はいくら言ってもキリがありませんし、何より私の人格が問われるのでこの辺にして、健闘していたのではないかと思われるブランドもいくつかピックアップしてみると、writtenafterwordskeisuke kandaTheatre Productsと言ったところでしょうか。各論も書きたいのですが、細かいところまで書いていると誰にも読まれないよう長文になってしまいますので、割愛しますが、上記の三つのブランドに関しては、(個人的な好みとは別次元において)あの十分とは到底思えない各スペースにおいて、それぞれ「らしさ」が出ており、また、直接的ではないファッション表現という部分で、普段ファッションにあまり興味をお持ちでない方に対しても、また、ファッションを愛していらっしゃる方に対しても、何らかの訴求力を有していたのではないかと思います。これを両立させることはとても困難なことです。名前が挙がらなかったブランドの中でもそこそこ良かったものと、全然ダメものがありますが、これは自粛します。皆さんが、自分の目で見て、「感じ」て「考え」て下さい。これはファッションに携わろうとする私たちからのお願いです。善くも悪くも、ファッションに興味を持ってもらうということのみが、この展示の狙いであるならば(そんなわけないが)、成功と言えるのかもしれません。
 これ以上長くなるともう誰も読まないのではないかと思いますが、ここまできたら書かざるを得ませんので、このまま書きます。長めの文章を読むというのも退行に対抗するための有効な手段ですよ。駄洒落ですけどね。ただ一つ、ファッションの素晴らしさを感じられなかった点が残念で仕方なかったです。
 もう一つの『ここのがっこう work in progress』の方はと言いますと、自分達も展示に参加しているのですが、展示内容に関して詳細に記述するのは控えさせて頂きます。と言うのも、文字通り、制作の過程を外部の人に公開するという性格のものであると同時に、普段ここのがっこうが行われている台東区のデザイナーズビレッジの一般公開に合わせて開催されたという性格もあるので、作品についてあーだこーだ言う必要がないと思っています。ただ、一般的な学校の、例えば文化服装学院の学園祭におけるクラス展示よりははるかに面白いとは思います。
 ですので、ここでは『work in progress』の開催中に行われた、トークイベントについて触れてみようかと思います。
 トークイベントの参加メンバーは、writtenafterwordsデザイナーの山懸さん、mikio sakabeデザイナーの坂部さん、アーティスト集団chimpomの卯城さん、chaos launge代表の黒瀬さんと、謎の文筆家のhouさんという面々。
 開始前の予想としては、日本の学校教育(特にアートやファッションなどの分野においての)の課題と、それに対する対策と言った感じかと思っていましたが、教育については触れられず、アートとファッションの関係性と今後の展開というテーマで進行されていきました。
 全体的には、予定調和的というか、「まあそうだよね」的な議論が行われ、やや肩すかしを食らった感が否めませんでした。卯城さんは予定調和を必死に排除しようとしていましたが、ファッション関係者だけではなく、一般向けとういか、聴いている人があまり限定的では無かったので当然といえば当然の結果なのでしょうが。私としては、彼らのオフトークに興味があります。
 トークイベント全体のテーマでもあったアートとファッションの関係性などについては、私たちも日頃から考えを巡らせているところでもありますし、もっと突っ込んだ議論の必要性を感じています。朝まで生テレビとか専門用語とか分からずとも、観ていて面白いですし、分かりやすいものだけがいいとは限りませんから。
 また、トークイベントの中でも触れられていましたが、業界の縛りや柵を排して、より根本的な関わり方を模索して、新たな展開を示すことは日本のファッションの停滞に対する有効な手段になり得ると思われますし、私たちが目指す方向の一つでもあります。これについては、次回の展示会でその一端をお見せ出来るようにしたいと思ってんだよね。
 ここまで全文を読んでくれた人とは仲良くなれる気がします。ありがとうございました。ではでは、また次回の更新で。おやすみなさい。

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