2012年12月23日日曜日


 お久しぶりでございます。みなさんお元気でしょうか。そうですか、お元気の様で何よりです。
 展示会終了後、ホッとする間もなくウイルス性胃腸炎を発症し、虚弱体質とガラスのハートっぷりを見事に露呈してしまった山中です。早く強い体になりたーい。
 何時やらの展示会にお越し頂いた皆様、誠にありがとうございました。今更ですが、大変感謝しております。改めてありがとうございました。
 少々多めご注文頂いたばかりに、今も製作に追われています。良いモノを作ると、売れるのは良いけど作るのが大変でちょっとね。笑 どうせだったら、死ぬほど売れて工場に発注したいものです。
 展示会も終わり、選挙も終わり、今年も残すところ一週間ばかりになりました。
 展示会の告知を除いた前回の更新の際は、Raf Simonsによる新生Diorが素晴しかったことと、Comme des Garconsの変化についての勝手な深読みを書きましたが、もちろん特に反応はありません。笑 
 それはさておき、その際に、東コレ特に物議を醸していたたwrittenafterwordsのショーを中心として色々思う事があったので、書こうと思っていたのですが、時間が過ぎてしまい当時の忌々しい気持ちがもう僕の中から消えてしまいました。
 5月に行われたインスタレーションを当欄でディスったら思ったより反応があったので、その責任はきちんと果たそうとショーを観に行ったわけですが、いまだに思っているのは、今回は正直な所、現状維持か失いかけていた価値を取り戻したというのが実際のところで、真価が問われるのは実は次なんじゃないの?的なことです。 
 なぜなら、山縣さんが発表したものが、服であるかどうかみたいなことではなく、(見方は人それぞれでしょうが、個人的にはあれは紛れもなく服ではあると思いますが)あれを発表したことで「装う事の極限値を表現したかった」ということであれば、その力を以てして観客達にwrittenafterwordsの服を着たいと思わせ、実際に着てもらう事によってのみ、新たなコミュニティが生まれ、そしてファッションとして浸透して行くのではないかとどうしても考えてしまうからです。
 僕の考えが古いのかも知れませんが、少なくとも僕はファッションデザイナーにはそうであってほしいし、そうありたいと思います。
 ですので、writtenafterwordsがファッションブランドとして存在しているのであれば、あの様なショーとともに、それを観た人の、自らを装飾する欲望を満たすこともデザイナーの職責ではないかと思います。
 他は実際に見たわけではないので、あまり詳しくは書けませんが、全体的に、先日の選挙同様、皆さん右側がお好きな様な印象を持ちました。ただそれだけ。笑 気になるブランドは特にありません。終わり。
 来年も頑張ります。皆さんもお体には十分気をつけてよい年末年始をお過ごし下さい。
 一年間お世話になりました。また来年。バイバーイ。
 

 こんにちは、せいです。展示会が終わったら、それまでの1ヶ月ずっと聴いていたmoe and ghostsへの欲求がぴたりと止んでしまって、脳内音楽からっぽです。と、言いつつ実は普段音楽あんまり聴かないから苦ではないけど、ハマるの見つかると潤うので、潤いへの導き○求ム○
※ゆる募じゃなくてきゅう募:新しいのにダサくてパンキッシュだけど切なくてしおらしい、けど狙ってる音楽
ふーん、洋服そんなだけどなあという方の来場者を増やせるように、私たちはファッションでそういうお導きできると良いなあ、と思います。
と、いうことで、右傾も左傾もせず、真ん中を淡々と来年も頑張ります。

2012年11月12日月曜日

解禁


LEUCADENDRON presents "Experimentation"#2
- 誰も知らないミッシングセブン -


11/16(金)〜18(日)
12:00〜19:00
@nomadica >>map




展示会のお知らせ


展示会がいよいよ今週末に迫って参りました。
今回はこれまで前編・後編にわたって制作してきたミッシングセブンの幽体離脱地下研究所の番外編として、ミッシングセブンに焦点を当てた展示となります。
これまでの展示では明らかになっていなかったミッシングセブンの謎が今回明らかになるとともに、彼らをイメージしてデザインされた衣服を展示致します。
また、これまでの幽体離脱をテーマとした制作作品をベースとしたアイテムも多数ご用意しておりますので、今週末お時間がございましたら是非お越し下さい。お時間がない方は時間を作ってお越し下さい。
まじめになってしまいましたが、よろしくお願い致します。


2012年10月22日月曜日

シャーマンの萌さんとクイーンの玲さん


 このところ更新が全くございませんで、セルフ放置プレイにも飽きました。
更新していない間、尊敬している方がこのブログを見ていたという黒の衝撃以上の衝撃が僕を襲いまして、ちゃんと書かなきゃなぁと少しだけ思ってしまいました。そんなことではまだまだですな。
 そんなことはさておき、今回は先日観たライブと、これまた先日観たパリコレクション2013ssについてちと放談をしてみようかと。
 まずライブの方ですが、最初から最後までやられっぱなしで尚かつ非常にカタルシスのある素晴しいライブでした。Moe and Ghostsというヒップホップユニットで、ラップ担当の萌とトラック担当のユージーン・カイムによるゴーストコースト(彼岸)ヒップホップです。今年の8月(彼岸)に佐々木敦の音楽レーベルHEADZからアルバム『幽霊たち』をリリースしデビューしたばかりですが、さすがです。ゴーストコースト(彼岸)ヒップホップで、デビューが彼岸で、アルバムタイトルが『幽霊たち』って。笑 この時点でもう完璧でしょ。一瞬われわれLeucadendronの為に存在しているのではないかと錯覚するくらいのシンクロ率。
 ライブ前にググってもメンバーの写真はほとんどなく、ひょっとしたらほんとに幽霊かもしれないと期待が高まりましたが、佐々木敦曰く、ギャルでもガーリーでもない全く新しいヒップホップとのことだったので、まず着ている服を含めたルックスが気になって仕方がありませんでした。声などから色々と想像を巡らせていたのですが、目の前に現れた女性は見事に、軽やかに、そして力強く予想を超えていった。
 彼女は全身黒のモノトーンで、髪は地面に届かんとするほど長い小柄の年齢不詳の人で、とてつもない力を内に秘めたシャーマンのよう。パフォーマンスも新しさとピュアネスに満ち溢れた素晴しいものでした。
 良いものを観た後には必ず心が洗われた様な清々しさを感じますが、今回のライブでも大いに浄化されました。カタルシスがないと語る意味がないですからね!!!!笑
 萌さんと幽霊たち、それとゲスト参加し自称日本で100番目に巧いサックスを演奏していた大谷能生氏。本当に良いライブをありがとうございました。
 フロントアクトで蛍光灯の放電のノイズで演奏をしていた方も素晴しかった。是非何かでご一緒したい。You tubeなどでPVが見られるので興味がある方は是非。
 続いては、皆さん大好きなパリコレクションなどについて少々。興味ないですか?そうですよね〜。
 ここで何も知らない俺みたいな奴がファッションとその周辺の事を書くと意外と反応があるので、あまり気が進みませんがちょっとだけ。
 まず、はじめに今回はパリコレクションのいくつかのメゾン、ブランドに見られたアーカイブのアップデートという視点から見てみたいと思います。
 まずは、今回のハイライト中のハイライトと言っても過言ではないRaf SimonsによるChristian Dior
 RafによるDiorは本当に素晴しいコレクションでした。さすが!感動した!
 RafDiorに関しては、デビューとなるHaute CoutureにおいてもRafらしいDiorが表現され、賞賛されていたわけですが、今回のprêt-à-porterでもHaute Coutureの路線を踏襲しながらも、色使いや素材感にRafらしさがさらに色濃く反映されていて、写真からでも伝わるそのピュアネスに感動し、浄化されました。モードと呼ばれるファッションに興味を持つキッカケとなったデザイナーの中でも10代から憧れていたデザイナーがChristian Diorでクリエイティブデザイナーとして活躍しているのは何か感慨深い。
 このRafによるDiorにおいても、アーカイブの研究をベースとして、現代的にブラッシュアップしていることは、誰の眼から見ても明らかです。しかし、VogueでのインタビューでもRafは語っていましたが、アーカイブをどのように解釈するかというその視点にRafのらしさがあるのだと思います。表面的なデザインに留まらず、そのデザインに込められた意味やメッセージを丁寧に読み取るその審美眼と、そこに新しいエッセンスを加える事で現代的なものをデザインするということに関して、Raf Simonsはまた新たな可能性を示したと思います。今後のコレクションの楽しみが一つ増えました。
 そして、タイトルにもあるのでクイーンの玲さんこと川久保玲率いるcomme des garconsですが、一見するとCdGとしては可も無く不可も無く王道といった感じ。CdGにしては通常業務というか、特段驚きがあるようなコレクションではなかったのですが、ただ、今までのコレクションでは感じる事の無かったもの感じました。それに関しては後ほど。
 Graham Hudsonによる王冠のようなヘッドアクセサリーはコレクションとの親和性も高く、コレクション全体の完成度を高める事に大きく寄与していたと思いますし、何より個人的に好き。笑 服はレディースだし着られないけどけどあれは欲しい。笑 
 有名ファッションメディアはCdGらしいコレクションで良かったんじゃないかといった感じの論調(僕の英語力での斜め読みなので、誤訳の可能性と誤訳したいという意思が満ち溢れているので悪しからず)の様子。決して良くないということはなく、らしいコレクションでした。
 そして、僕が感じたCdGの今までにないものです。
 CdGについても、あまり詳しい指摘はされていませんのであくまで僕個人の見解ですが、今回川久保氏は、ある程度意識的にCdGが自らのアーカイブの再編集+αという形で新しいものを生み出そうとしたのではないかということです。
 ここで、この部分がいついつのコレクションからと指摘してもいいのですが、ただでさえ読まれないブログでそんなことしたらもっと読まれなくなるのでまた別の機会に書こうと思いますが、僕はこのことから、クイーン玲さんこと川久保氏が将来的に一線を退かれた後のことまでをも視野に入れ、新しいフェーズに入ったのではないかとも考えてしまいました。とは言ったものの、まぁ可能性は松坂がRedSoxに残留できるよりもゼロに近いでしょうし、この指摘が正しいかどうかは次のコレクションまで分かりません。もし当たってたら褒めてください。笑 
 いずれにせよ、そういった所に今までとは違った新しさを垣間見たように思います。
 他にも好きなコレクションはたくさんありましたし、エディのサンローランもあるし、東コレもあるので、近いうちにまた更新したいと思います。
 それでは。

2012年8月29日水曜日


前回の続きのような感じになってしまいますが、最近はよくこんなことを考えております。
 ファッションに限らず、現在モノが売れないと言われて久しく、それが常態となりつつあるようです。
 至る所で言及されていることで、ファッションに限ったことではありませんが、日本人は目先の利益ばかりに気を取られ、中・長期的な視点が欠けてしまっているように感じます。
 大変な時期だとは思いますが、逆に考えると、全世界的に考えると今まで大変じゃなかった時期なんて無かったと思うということを僕が好きなジャズミュージシャンが言っていましたが、これは本当にそうなんですよね。さらに言うと、困難さがないと新しい物は生まれてこないとさえ僕は考えます。こんな時代だから革新的なものが生まれるとも。
 これに少し関連していることで、以前にこのブログで少し書いたことがあることですが、ファッションの重さと軽さということについて、change fashionの中で、蘆田裕史というKCIのキュレーターの方がブログに書いていました。

一枚の絵画、一本の映画、一篇の小説などと比べると、一枚の服のもつ情報量はきわめて少ないです。たとえば映画であればプロットがあり、役者がいて、映像が次々に流れ、音楽がつけられ、と人間の感覚では認識しきれないほどの情報が詰まっています。映画について語る場合、あらすじを述べるだけでも10分や20分かけられます。一方で、衣服の場合は色、形──しかもほとんど定型がある──、生地の質感など、きわめて少量の要素しかありません。



このように、衣服はただでさえ情報量が少ないのに、近年隆盛しているファストファッションなどは、デザイナーの思想や、制作における職人的な手仕事など、さらに色々なものをそぎ落としています。これらはその意味で「軽い」服だといえます。

(これはファストファッションに限らず、「制作のコンセプトやテーマはありません。自分がかわいいと思うものを作っています」と言ってしまうようなデザイナーなどもそうです。)



一方で、衣服にできるだけ多くの情報を付与するようなデザイナーが現われています。その付与の仕方は、ASEEDONCLOUDのように(狭義の)物語を作ったり、Aski Kataskiのようにわざわざ蚤の市などで古い布を集めてきたりと様々です。軽い方へ軽い方へと向かう潮流に抗うかのように──とはいえ、本人たちにはそうした反骨精神のようなものがあるわけではありませんが──、彼等は服そのものに、あるいは服の背後にさまざまな要素──これを物語と僕は呼んでいるのですが──を加えているのです。

言い換えれば「重い」服を作っていること、それが選出のひとつのポイントです。
 
分かりやすいですね〜。笑 さすが大学講師!多分僕が書いている事と言いたい事はそんなに大きくは変わらないはずなのですが。以前も書いたように僕は衣服を中心とするいわゆるファッションの本質は軽さにあると考えています。それはもちろん、参照部分で蘆田さんが言及されていることも含みますが、もう少し本質的な意味においてです。
 そして、引用文中では軽さが消極的に記されているように感じますが、その軽さこそがファッションをファッション足らしめているのも事実ではないでしょうか。
 比較対象とされている、絵画、映画や小説に比べ圧倒的に人との物理的な距離が近く、興味の有無は別として、日常生活で必要不可欠な側面を有してる点において必然的に“軽く”ならざるを得ないとも言えます。だから、ファッションはその存在の内に耐え難き軽さを内包していると以前にも言及したのです。
 蘆田さんのおっしゃる「重さ」と「軽さ」の言説もこのことを前提に成立していると思うのですが。いかがでしょう。
 本来「軽い」ものにどのように意味や思想、哲学、また物語によって重さを与える事が出来るかどうかがデザイナーの仕事の一つだと思います。
“たかが服、されど服”鷲田清一氏のヤマモトヨウジ論の本タイトルですが、良い言葉ですな〜。

2012年8月11日土曜日

無題


  皆様お久ぶりでございます。気がつけば展示会から早一ヶ月。夏真っ盛りですな。
  改めてというのも憚られるくらい時が流れてしまいましたが、お越し頂いた皆様ありがとうございました。
 つけて頂いた皆様さらにありがとうございます。もうお渡しした方、出来ているのにこちらからの連絡に返信がない方、まだ出来ていない方など様々いらっしゃいます。まだ完成のご連絡が出来ていない方に関しましてはもうしばらく夏物をお楽しみ下さい。
 展示会の内容に関しては、反省など含め色々考えておりますが、細かい事は書いても面白くないのでここでは書きません。笑 次回は限りなくJFW(ジャパンファッションウィークの略)に近づけてテロでもしてやろうかと思っていますが、前回に懲りていらっしゃらなければ次回もお越し頂き、知らず知らずのうちにテロの実行犯になって頂ければ幸いです。(一応言っておきますが、本気のテロには反対です。)
 まあ、展示会で個人の方につけて頂いて大変嬉しく思っていますし、説明をさせて頂いて納得された顔を見るのはただそれだけで病み付きになりそうなくらいの幸福感がありますが、やはりそれだけではお腹が減るのです。
 活動にビジネスとしての側面がある以上、どうやって売るかというのは無視出来ないものでして、営業活動も始めております。某セレクトショップに先日アポ無し突撃しましたところ、店長さんと代表さんに偶然遭遇しまして短い時間でしたが商品を見て頂きました。結果、全体として面白がって頂けたようで、次回以降の展示会やインスタレーションにつながる関係が築けたと思っています。今回の展示会に来て頂いていないこともあり、商品の一部だけでのプレゼンテーションでは伝えきれなかった部分はあったと思いますが。決して強がりではありませんよ。笑 半端無くヤバいものだったら即取り扱いなんてことにもなるのでしょうが、営業なんてそんなものですね。
 私たちとしては、やはり展示会場の雰囲気も感じて頂きたいし、一回性と場所的限定性が強い展示やインスタレーションを仕掛けていきたいので、物だけをセレクトショップのハンガーに掛けて頂くのは、コンセプト的には矛盾してしまうのです。そして結局オンリーショップが一番いいという身も蓋もない結論に至るわけで。笑 まぁそれは冗談として、まだ全然お店も回れていないのですが、先述のセレクトショップの代表の方との話しの中でも、やはり服が売れないということを切実な顔でおっしゃっていました。そして、それなりにわかりやすいものがいいとも。セレクトショップのコンセプトや戦略は各々あるのでしょうが、やはりそれなりにマスを狙うということと、クリエーションの両立は非常に難しい時代であるということを実感しました。そこまでマスを狙いたいというわけではありませんが、姿勢としてマスは狙って結果的に良いところに着地していければなと。それが難しいんですけどね〜。笑
 やはり表面的には色々な意味でわかりやすさは必要ですね。ただ表層だけの表現には何の意味もないことも確かなのでそこはしっかり作り込みます。
 今までの流れとあまり関係ありませんが、平川さんがブログでいつものことですが、ちょっと面白いことを書いていました。興味がある方はこちらを参照http://lepli.org/discipline/
 文中にあるおだてられて木に登ってしまっている尻が青い豚さんとはどなた様の事でしょうかね〜。あの人とあの人とあの人…。東京にはいっぱいいますね。笑 誰とは口が裂けても言えませんね、少なくともここでは。おっと、失敬。僕の性格の悪さが出てしまいましたが、間違えてもそういうデザイナーにだけはならないよう気をつけなければということです。舌禍を起こさないうちに失礼します。バイバーイ。

2012年7月3日火曜日

展示会終了


 展示会においで下さたった皆様誠にありがとうございました。予想より(と言っても超絶アバウトな予想しかしておりませんが)多くの方にご来場頂き、またご購入まで頂いて本当に感無量です。
 終了後の撤収作業も速やかに終了し、ミッシングセブンの幽体離脱地下研究所から無事帰還を果たしました。
 よく校長先生が、家に帰るまでが展示会だからと言いますが、私の場合ブログを更新するまでが展示会といった心持ちですので、この更新をもって、やっとという感じ。うちの校長先生も言ってるのかしら。笑
 会期中においでくださった方からも、「ブログ読んでますよ。苦笑」とか「誰それがブログ読んで怒ってたよ。」とか、色々な声を頂きまして恐縮でございます、はい。 
 今回は後編という事で、前編から引き続きのテーマで、誰がどう見ても服でしょという感じのラインナップで構成し、一人でも多くの方と握手をすることが大きな目的でしたので、それを考えると、なかなか良い展示受注会になったのではないかと思います。ドイツ移住への大きな一歩になったかな。
 ただ、DM郵送した人がほとんど来ないというのは、一体どういうことなのでしょうか。そんなに嫌いかね僕の事が。笑 そんな奴には不幸の手紙送っちゃうぞ。
 そんなことより、今回実現出来なかった事や改善すべき点は多くあるのも事実ですが、あの空間においで下さった方の反応を見ていると、何かしら感じて頂けたと確信していますので、これは良かったことの一つと言えます。あの空間で何も感じないといのは、不感症かセンスがないかのどちらかではないかと思いわれます。それは冗談ですが、無反応が最も堪えますから、好きか嫌いかはっきりして頂けるとありがたいです。忘れられるくらいなら嫌われてディスられた方がいいですかね。笑 少なくても僕は。
 二人で反省会して、また改めてまとめようと思いますが、取り急ぎこれをもってお礼と代えさせて頂きたいと思います。本当にありがとうございました。
 

2012年6月15日金曜日

チケット無くても入れますけど。


最近このブログをご覧頂いている方が緩やかな増加傾向を示しており、読者なんて方も出てきてしまい、もうすぐ辞めようかなと心にもないことを言ったりなんかしちゃったりして。
 ご覧頂いている方の中には、割と踏み込んだ内容であると思っている方もいらっしゃるようですが、全くそんな事はないと思っています。
 辛辣というか、辛口気味である事はもちろん意識的に書いていますし、アイドルでもあるまいし日常生活を逐一報告しても需要も必要性もありませんのでこのような形式で書かせて頂いております。
 何よりも私自身が腹黒く、屈折した心の持ち主ですので、睡眠中に無意識で書いてもこうなるわけですが。
 また、レビュー形式で鑑賞したものについて書く際に、星一つ的なことを書くとすーぐディスりだと勘違いをしてしまう、思い込みが激しく読解力の乏しい現代っ子がいるとしたら、それは私の真意が伝わっていません。
 私は基本的に好き嫌いが多く、またはっきりしているので、興味関心がないどーでもいいことについてブログを書く程、暇でも物好きでもありません。
 強めのことを書いていたとしても、それはその方を好意的に思っているからに他なりません。以前書いた、リトゥンアフターワーズの山縣氏やここのがっこうについても然りということです。
 ただ、最終的にはきちんとした批評を書く事を目的としていますので、現在の稚拙な文章表現についてはご容赦頂きたいと思います。
 ということで、AKB48の総選挙も終わり、いよいよ6/29(金)〜7/1(日)には我々の展示&握手会が行われます。我々のは、物を買わなくても参加出来ますので、お時間ございましたら遊びに来てください。良い子のみんな、渋谷OZgalleryで僕と握手!


詳細はこちら> http://leucadendronhouse.web.fc2.com/information.html
29日は残念ながら勢井とは握手できません、山中のみとなります。

2012年5月27日日曜日

前回の続き


 前回割と辛辣な事を書きましたが、珍しく勢井の制止もなく、むしろ自分にも書かせろとばかりに最後に淡々と、これぞ!という彼女らしさを見せてくれました。素晴しい一撃だったと思います。よくやったぞ、勢井ちゃん。それぐらいやばかったのです。
 今回は前回にも登場したGWのもう一つの側面、平川武治氏主催のlepli会について少々。
 平川氏については、ファッション批評の話しの中でよく名前を聞く方であり、このおっさん何者だと気になり始め、それからブログを拝読させて頂くようになり、今回のlepli会参加と相成ったわけですが、日本人唯一と言われるモード・クリニシュエです。
 参加の発端はいつもお世話になっている文化学園購買部内の生地屋である四季の石田君のお誘いを受け、原宿VACANTに出向いたというわけです。この石田君も、以前登場の店長恩田さんに劣らずなかなかのくせ者でして、本やらCDやらを大量に貸してくれたり、安く生地を譲ってくれたりと何かと良くして頂いておるのです。謝謝。
 敬称を省略して当初から君付けで呼んでいますが年上です。ちなみに僕は山中さんと呼ばれています。笑 まあ僕は老けてるのでしょうがないですね。石田は礼儀正しい素敵な方です。生地買ったらお菓子くれます。生地をお探しの方は是非。
 そんな流れで参加したlepli会ですが、なんと言ったらいいのでしょう。いや、もう言葉にしたくない、陳腐な表現しか出来ないのなら。それくらい有意義で、価値のある時間でした。
 あんなに浄化作用のあるトークイベントなかなかないと思います。話しを聴いているだけで心が洗われるようでした。それは、平川氏が自分の為す事に対して、常に真摯に向き合い、その仕事の清潔さに由来するものだと感じています。
 ファッション業界の裏話から、今後のファッションの可能性などテーマは多岐にわたりとても示唆に富んだお話を伺う事が出来た上に、逆指名でまさかの質問までしてしまい、若干の失態をさらしてしまいました(あまりに予想外のことでテンパリまくり、頭が真っ白になりかけた私は特に面白くもない質問をしてしまいました。笑)これはこのときだけのことではなく最近の悩みの一つ。もっと場数を踏まなければ。
 平川氏の話しの中には、普段私たちが考え、実現出来たらと思っていることが多々あり、しかもそれが歴史的な背景を踏まえて論理的に語られており、思考の段階が一段深まったという実感があります。それがどんなことであるかは、今後の活動によってお見せ出来ればと思いますが、まずは6月末の展示会にお越し下さい。そこでうんざりするくらい話してやるからよ。笑 私あまり喋らないというイメージが定着していますが、飲むとよく喋りますし、飲み過ぎるとよく吐きます。笑 本気で喋りたい方がおりましたら飲みに誘ってください。笑。平川氏とも飲みながら話してみたい。
 とにかく常に「考える」ことはとても重要なことであり、それは中に入っていけば行くほど重要性が増し、自らを客観的に、俯瞰的に見て、常に自分の立ち居場所を見定め、そこに立ち続けるために尽力していくこと。そして、何かを始めたとき持っているはずの新鮮な思いを持ち続けること。これが平川氏の講演の中の要点だったと僕は考えています。当たり前といえばそうですが、多分これを続ける事がどれほど難しい事かを経験から知っている平川氏の言葉であるからこそ響く。これが本物。
 そして、余談ですが、あまりに平川氏にやられてしまった僕は、講演後に平川氏にメールしたところ、僕が差し上げたものよりも丁寧で素敵な返信がきました。ちょっとあがりました。笑
 もう少ししたら、展示会のフライヤーというかインビテーションというか、そんな感じの物を空中散布しますので、みなさんちゃんとキャッチしてくださいね。それではまた近いうちに。バイバ〜イ。

2012年5月9日水曜日

GWの出来事。〜ここのがっこうとAKB、SNS〜


 どうも皆さんこんばんは。ご機嫌麗しゅう。右目が近視、左目が遠視という低視力ハイブリッドな眼を持つ男山中です。おかげで眼精疲労が半端ではありません。もうブログ書きたくない。笑 
 GWも終わりましたが、みなさんはどういった連休を過ごされたのでしょうか。聞いては見たものの、特に興味ないですけどね。笑
 私はと言いますと、基本的にカレンダー通りの連休などなく、ただ、街に出ると何か人が多いなと思い、後から今日が祝日であるということに気がつくといった感じで、あっという間に終わっていました。
 ただ、全くGWらしいことが無かったというわけでもなく、連休中盤には文化大革命時代の同窓会的な集まりに参加しましたし、連休後半に、最高と最悪の出来事がジェットコースターの如き落差でやって参りました。しかも、二日にわたり、全く同じ場所で!
 そうです、今回のメインテーマはもちろんこの二つの出来事について。
 一方は、本当に素晴しい時間を過ごす事が出来、また一方は、ここ一年で最も時間を無駄遣いしたと言っても過言ではない上に、気分悪くなりました。最近はあまり良くなかったものにつて書くのは辞めようと考えていたのですが、これは書かずにはいられません。ただの悪口には留めないのでご容赦下さい。
 まず最高の方ですが、原宿VACANTで催された、平川武治というファッション評論家の方の講演会、lepli会に参加したことです。これについてはもう少し後で、これについてだけ書こうと思っていますが、本当に貴重な話しが聞けましたし、久しぶりに信用に足る大人を見た気がします。自分が日頃考えている事があながち間違えていないということもわかりましたし、色々なことがクリアーになった感覚がありました。やはり、人も動物ですから勘が強く働いたときはそれを信じていいのではないかと思います。
 最悪の方は、written after wordsの新作の展示インスタレーションです。前日の最高の対になる形で最悪と申しましたが、これが大げさでもなんでもないから困ります。ここのがっこうではそれなりにお世話にはなりましたが、ここではそんなことは関係ない。
 もうほんとに酷かった。酷すぎる。オペラシティでの展示「感じる服〜」に関しては以前に素晴らしいとまでは言わないものの、デザイナーの山縣さんのやりたい事も理解出来ましたし、あの中で服を一切見せないというプレゼンテーションに面白さも感じていました。が、しかし、新作の服を発表しなくなってから今回で四回目でしょうか。業界では「もう服作れないんじゃないの?」などと揶揄されているようですが、今回のものは、ストーリーや内容はともかく、クオリティの面で正直プロが発表するレベルのものではなかったと思います。見た瞬間、あまりのことに血の気が引きました。そして、血の気が戻ると、目の前に並べられている“オー!マイキー”よろしくなマネキンたちを全て蹴散らしてやりたいという衝動に駆られました。あれをどんな詭弁で、何も考えていないチルドレン達に語るのでしょうか。そして、展示内容はもとより、あの日のVACANTはにわかおしゃれで業界人気取りのキッズをはじめとして、私が嫌悪する、ファッション業界っぽい気色悪さに溢れていていました。
 今回については本当に残念というしかありません。山縣さん、がっかりです。あなたは、私たちに、作品のクオリティについて、ことあるごとに言及されてきました。そのクオリティはこの程度ものだったのですか。違いますよね。私は、あなた方いわゆるヨーロッパ帰りコミュニティーの中では、今現在あなたにしか可能性を感じません。圧倒的な勘違見せてください。次は服を発表するようですので、そちらに期待しています。
 ただ、前日の平川さんの話しの中に山縣さん達の話しもあり、ここのがっこうに参加したとき感じた、あの締まりのない感じは、講師の方の人となりに由来していることがわかりました。下記において、勢井も言及していますが、私は今回の事から、“ここのがっこう”と“AKB48”、そして日本におけるSNSの共通点を見たように思います。
 日本のファッション教育に対する異議申し立てするという志は低くはないと思う“ここのがっこう”ですが、ヨーロッパの名門ファッションスクールという権威を武器に、ブランド大好き日本人にマーケティングをし、西山氏のIT’s大賞受賞でその名が急速に広がり、生徒は増えたが質(作品のではなく、人間的な素養の)が下がったこと、これは善くも悪くも誤算だったはずです。そして、彼らが権威主義的素振りを見せないことも戦略の一つといったところか。
 現在のここのがっこうを見ていると、“会いにいけるデザイナー”に群がる単なるファッション好きの集合という要素があると思います。もちろん、志高く真剣に取り組んでいる方もいます。ただ、全体で見ると冷やかし半分で集まる野次馬が増えていることも事実。そして、盲目的にアイドルを信じ、従っていく姿勢。そして、少し都合が悪い事実はスルー。表面的な関係であるが故に、本心は隠されたままで、妙に多い横の繋がり。もっと、闊達な議論が交わされ、健全な批評行為が行われるべきだと感じます。ここのがっこうの生徒で、山縣さん本人に、今回の展示に関して苦言を呈した人は果たして何人いたのでしょうか。言わない人は、本当に心からあの展示を良かったと思ったのか。だとしら、見る目ないね。笑 
あーあ、結局悪口になっちゃった。てへぺろ。

こんばんは、勢井です。シュトックハウゼンのコンタクテにめろめろです。
今日は私もすこしだけ。リトゥンのインスタレーションについて。
内輪感で充満したあの感じはやっぱり違うと思った。遠くから見ること、疑うことはいつ何時も必要だと、余計に感じさせられた。彼らは陶酔なのか、ふりなのか。空虚なこの胸の内。倒れるマネキンに笑顔で慌てる助手たちよ。あの内輪の中には、残念ながら否定的なクエスチョンが頭上に浮かんでしまった人が絶対にいたと思います。でもそんなことは聞かないし言わないのです。
アーメン。

2012年4月13日金曜日

告知とか告知とか告知


 毎度の事ながら、更新が滞っておりました。本当は週1くらいでは更新したいんですけどねー。巷のブロガーの皆様のように軽い感じで写真日記みたいな感じにすれば、書きやすいし、読みやすいのでしょうが、別に僕たちの日頃あった事なんか逐一お知らせしてもねー、誰も喜ばないでしょうし。流行のスタイルからは一線を画していこうと改めて強く思うばかりです、はい。新木場でライブ鑑賞(DCPRGのレコ発ライブ!とてもよかった。)から、まさかの徹夜で作業。その後渋谷パルコに朝イチ納品。そして、したくもない仕事という、ちょっとおかしなスケジュールのおかげで、ここに書いてはいけないことばかりが頭をよぎります。笑 今朝北朝鮮が花火を打ち上げたようですが、作業に追われるあまり、横目でスルーしてしまいました。多分あの時東京に落ちても気づかなかったと思います。
 まあ、更新が遅れているという事はそれなりに他の事に時間をとられているということでもありまして、一難去ってまた一難と言いましょうか、次から次へとやらなければいけないことが出てきます。自分たちのブランドの活動としては、3月に海外のコンテストに応募の締め切りがありまして、それをもって『ここのがっこう』とも決別し、次回の展示会の内容や日程が徐々に決まってきております。当初は5月末に考えていたのですが、諸々を勘案した結果、6月末に開催するということでほぼ決定しました。内容に関してはまだまだ詰めていかなければなりませんが、イメージは宇宙のごとく膨張を続けておりまして、脳内ではなかなかいい感じになってきております。自分達の中で当面のコンセプトが、はっきりしてきた手応えをつかんでいるので、期待されているかは知りません(多分されてない。笑)が、自分で宇宙のごとくとか言ってハードル上げちゃったし、嫌いな奴らと同じ土俵で戦えるように力を尽したいと思います。笑
 上記の我ながらおかしなスケジュールの件ですが、これは文化学園購買部内の生地屋『四季』の恩田氏(天然を装いながら実は切れ者の超絶イケメン社長!結婚おめでとうございます!笑)のご紹介でちょっとお手伝いさせて頂いている自由が丘のnucafeさん(運営WIT PLAATS)の渋谷パルコ出店に際し、小物をデザインさせて頂いておりまして、小物と言っても結構大きめなエプロンバッグなのですが、ちゃんとLeucadendronの名前もクレジットされています、多分。(写真アップしたかったけど、あまりにもテンパリすぎて写真撮るの忘れた!笑)
 渋谷パルコに出店しているお店は同じくWIT PLAATSが運営している有機野菜の八百屋さんtasty +(テイスティプラス)で、八百屋だけに野菜を売っているわけですが、ベジタリアンのかたもそうでない方も、是非僕たちのエプロンバッグを見るためだけに渋谷パルコに行ってみてください。他にも食器などの雑貨をはじめとして、かわいらしい店内となっています。あと渋谷の地下なのに、畑が出現しています。これはなかなか新鮮な光景でしたのでお近くにお越しの際は立ち寄ってください。
 それと、これも同じくWIT PLAATSさん関連で、4月20日に恵比寿の三越の中にオープンするお茶屋さんのユニフォームにも携わっているので、こちらも併せてどうぞ。デザインはいていませんが、結構凝ってます。
 他にもファッションのことやライブこのことなど書きたい事が山ほどあるのですが、全部書いていたらアップ出来ずに本になってしまうので今日はこの辺でドロンさせて頂きます。ばいばーい。

2012年3月6日火曜日

DCPRGのニューアルバムのジャケットがダサイ件について。


 最近更新が滞りがちなこのブログですが、とくにご報告などもないので仕方ないですね。更新していないと言ってもたまには書いていまして、このところ真面目にも程があるくらいな文面が続いてしまい猛省中の山中です。
 とは言いつつ、性根が腐りながらも、割と真面目なので書くとついつい引力に負けて堅苦しい文面になってしまうのです。ほんとはもっとポップで軽くいきたいんですけどね。
 そんな訳でね、例に洩れず堅いんです、今回も。笑
 今日、明日あたりで2012awのコレクションが終わり、一通り気になるメゾンのショーをネットでサクッとみたわけですが、「んー、良いんだよ、すごく。ラグジュアリーで、エレガントでいいんだけど、なーんだかなー。」みたいな感じ。ほんとにすごいんだけどね。まぁ最近の感想大体いつもこの調子。
 で、もう自分でも嫌になるほどよく例え話に登場してくるあのブランドですよ。海外のジャーナリストはcommeって略してるらしいことが最近分かったcomme des garcons。腹立つけど、良いんですよね、これが。   前回が個人的にはあまり良くなかったと思っていたので、余計に今回は素晴しかったように感じてしまった。
 Comme des garconsと言えば、前回の日記で、雑誌penでの特集が良くないと勢いで失望混じりにかきましたが、あれはあれで良かったんでしょうね、きっと。と今は思っています。売れ行きも絶好調だったみたいですから。ただ僕が求めていたものでは無かったというだけのことです。pen如きに期待してしまった僕がいけないんですね。
 話しを戻しましょう。今回のギャルソンは、2Dつまり超平面服。Style.comのレビューによれば「世の中が3Dを志向するなら私たちは逆に行くわ。ふんっ。by川久保玲 」ということらしいです。笑
 WWDにちょっとおもしろい記事がありまして、向千鶴という人が書いたもので、ファッションは「わかる」ものなのかというタイトルです。この記事の中でこの人は、ファッション業界以外の人と仕事すると「私ファッションわからないですから」と困惑したような顔するということを端緒として、日本においてcomme des garconsの登場以降ファッションの世界に見えない知的な「階級」を作り出し、そのことが上記のような「私、ファッションわからないですから」という困惑を引き起こしているのだと言っています。わからなくはないけど、ちょっと論理的な飛躍は否めません。笑 ただ、「フロントローに座る人たちを観察すると、恐らく私と同じように「わからない」であろう、少々呆けた表情の人が特にショーの後半は大勢いました。しかし、フィナーレでは鳴り止まない拍手が続いたのです。拍手を続ける人たちは「わかって」いたのか、それとも「わからない」難問を投げかけてくる、そのこと自体を賞賛していたのか、正直謎でした。そして、その拍手に「盲信」の匂いを感じて、私は反発を覚えました。」としていることには共感するところがありました。それは、comme des garconsに対する盲信的な礼賛に私も違和感を感じているからです。Comme des garconsにも良いときと、そうではないときはあります。もはや、伝説と化しているcomme des garconsのクリエーションはファッション界以外の人たちからも賞賛の声が上がるほど。いいときにそれが起るのはファッションにとって本当に素晴しいことですが、良くないときにも反応はあまり変わらない。もちろん、何をもって良いとするかには、多くの基準があるでしょうから、一概には言えませんが、その雰囲気には何か胡散臭さを感じてしまいます。鉄の女川久保怜は、ヤマモトヨウジ氏のように裸の王様にはなることはないでしょうが、comme des garconsを取り巻く多くの言説はあまり信用出来ない事は確かだと思います。
 今回のショーに関しても、ファーストルックを見た瞬間に良いと思った私も、もちろん全てを「わかった」わけではありませんが、しばらく落ち込むほど頭に残りました。ファッションに限らず本当に素晴しいクリエーションは人を眠れないほど考えさせます。それは、わかりやすい表現がもてはやされる昨今の日本においては強烈なカウンターとなっています。良くも悪くも、まだしばらくはcomme des garconsの呪縛は払拭できそうにありません。これを乗り越える事は特に日本でファッションに関わる以上容易ではありませんが一つの目的たりえることに違いありません。

2012年2月1日水曜日

鬼は外、フクは…?


 遅ればせながらというか、今更も今更、ですが、明けましておめでとうございます。笑 
 みなさん、ご機嫌麗しゅう。もうすぐ節分ですね。少し前のことになりますが、芥川賞を受賞された方の不機嫌会見、私は嫌いではありません。ただ、もう一人の受賞者の方が全くと言っていいほど取り上げられていないことにはメディアの危うさを感じます。どうも山中です。タイトルから駄洒落ですいませんでした。皆さんもスリップにはご注意を。まだ道凍ってるところあるからね。
 常にそれを感じながら日々を過ごすというのは、困難ですが、人はいつ、どのように死に至るかというのは分からず、常にそれと隣り合わせであり、著名人であれ知己の友人であれ、家族であれ、誰かの存在の消失によって、それは鮮明に浮かび上がるものです。最近ですと川勝正幸氏が火事によって亡くなられたことでふとそれを感じました。ご冥福をお祈り致します。
 私の中では、今はWEB版のみになってしまったSTUDIO VOICEなどで活躍されていた印象の強い川勝氏ですが、日本のユースカルチャーの形成に大きく影響を与えた功績は希有なものがあると思います。それにしてもSYUDIO VOICEは良い雑誌だったのになぁ。好きな雑誌がどんどん無くなっていきます。それに比べて、今月号のPenの体たらくときたら。一冊丸ごとcomme des garcons特集とかいうからちょっと期待しちまったじゃねーか…。これはもう紙の無駄遣いとしか思えません。Penに限った事ではありませんが、地球環境と私のためにもっと良い雑誌を作って欲しい。いいものが消え、そうではないものが生き残るという現状にはやるせなさという残尿感が残ります。いいものは生き残るというのは今やただの幻想になってしまったのか。
 昨年末からこんなことばかり書いているので、もはやファッションをやっている人のブログではないような様相を呈しています。苦笑
 ファッションデザインは総じて軽い表現がいいらしい。ファッションの軽さについては以前少し書かせて頂きましたが、軽い表現と相性がいいのはもちろん経験的に感じています。では、軽いだけではない、ファッションは一体どのように表現したら良いのかは迷宮入り。軽い=薄いではないのではないと考えていますが、自問してもノーアンサー。
 先日、知人の展示受注会を覗きに行ってきました。これは天地神明に誓って悪意は全くありませんが、私たちとはアプローチも表現も異なっており、正直私たちには出来ないものでした。良い意味で表現が軽い。そして、ちょこちょこ売れているみたいでした。売れる事はいい事です。が、それだけを目指して作っていくということは私たちには出来ない。
 次の展示会で答えの一端をお見せしなければなりません。
ということで、今年もひとつよろしくお願い致します。