2012年5月27日日曜日

前回の続き


 前回割と辛辣な事を書きましたが、珍しく勢井の制止もなく、むしろ自分にも書かせろとばかりに最後に淡々と、これぞ!という彼女らしさを見せてくれました。素晴しい一撃だったと思います。よくやったぞ、勢井ちゃん。それぐらいやばかったのです。
 今回は前回にも登場したGWのもう一つの側面、平川武治氏主催のlepli会について少々。
 平川氏については、ファッション批評の話しの中でよく名前を聞く方であり、このおっさん何者だと気になり始め、それからブログを拝読させて頂くようになり、今回のlepli会参加と相成ったわけですが、日本人唯一と言われるモード・クリニシュエです。
 参加の発端はいつもお世話になっている文化学園購買部内の生地屋である四季の石田君のお誘いを受け、原宿VACANTに出向いたというわけです。この石田君も、以前登場の店長恩田さんに劣らずなかなかのくせ者でして、本やらCDやらを大量に貸してくれたり、安く生地を譲ってくれたりと何かと良くして頂いておるのです。謝謝。
 敬称を省略して当初から君付けで呼んでいますが年上です。ちなみに僕は山中さんと呼ばれています。笑 まあ僕は老けてるのでしょうがないですね。石田は礼儀正しい素敵な方です。生地買ったらお菓子くれます。生地をお探しの方は是非。
 そんな流れで参加したlepli会ですが、なんと言ったらいいのでしょう。いや、もう言葉にしたくない、陳腐な表現しか出来ないのなら。それくらい有意義で、価値のある時間でした。
 あんなに浄化作用のあるトークイベントなかなかないと思います。話しを聴いているだけで心が洗われるようでした。それは、平川氏が自分の為す事に対して、常に真摯に向き合い、その仕事の清潔さに由来するものだと感じています。
 ファッション業界の裏話から、今後のファッションの可能性などテーマは多岐にわたりとても示唆に富んだお話を伺う事が出来た上に、逆指名でまさかの質問までしてしまい、若干の失態をさらしてしまいました(あまりに予想外のことでテンパリまくり、頭が真っ白になりかけた私は特に面白くもない質問をしてしまいました。笑)これはこのときだけのことではなく最近の悩みの一つ。もっと場数を踏まなければ。
 平川氏の話しの中には、普段私たちが考え、実現出来たらと思っていることが多々あり、しかもそれが歴史的な背景を踏まえて論理的に語られており、思考の段階が一段深まったという実感があります。それがどんなことであるかは、今後の活動によってお見せ出来ればと思いますが、まずは6月末の展示会にお越し下さい。そこでうんざりするくらい話してやるからよ。笑 私あまり喋らないというイメージが定着していますが、飲むとよく喋りますし、飲み過ぎるとよく吐きます。笑 本気で喋りたい方がおりましたら飲みに誘ってください。笑。平川氏とも飲みながら話してみたい。
 とにかく常に「考える」ことはとても重要なことであり、それは中に入っていけば行くほど重要性が増し、自らを客観的に、俯瞰的に見て、常に自分の立ち居場所を見定め、そこに立ち続けるために尽力していくこと。そして、何かを始めたとき持っているはずの新鮮な思いを持ち続けること。これが平川氏の講演の中の要点だったと僕は考えています。当たり前といえばそうですが、多分これを続ける事がどれほど難しい事かを経験から知っている平川氏の言葉であるからこそ響く。これが本物。
 そして、余談ですが、あまりに平川氏にやられてしまった僕は、講演後に平川氏にメールしたところ、僕が差し上げたものよりも丁寧で素敵な返信がきました。ちょっとあがりました。笑
 もう少ししたら、展示会のフライヤーというかインビテーションというか、そんな感じの物を空中散布しますので、みなさんちゃんとキャッチしてくださいね。それではまた近いうちに。バイバ〜イ。

2012年5月9日水曜日

GWの出来事。〜ここのがっこうとAKB、SNS〜


 どうも皆さんこんばんは。ご機嫌麗しゅう。右目が近視、左目が遠視という低視力ハイブリッドな眼を持つ男山中です。おかげで眼精疲労が半端ではありません。もうブログ書きたくない。笑 
 GWも終わりましたが、みなさんはどういった連休を過ごされたのでしょうか。聞いては見たものの、特に興味ないですけどね。笑
 私はと言いますと、基本的にカレンダー通りの連休などなく、ただ、街に出ると何か人が多いなと思い、後から今日が祝日であるということに気がつくといった感じで、あっという間に終わっていました。
 ただ、全くGWらしいことが無かったというわけでもなく、連休中盤には文化大革命時代の同窓会的な集まりに参加しましたし、連休後半に、最高と最悪の出来事がジェットコースターの如き落差でやって参りました。しかも、二日にわたり、全く同じ場所で!
 そうです、今回のメインテーマはもちろんこの二つの出来事について。
 一方は、本当に素晴しい時間を過ごす事が出来、また一方は、ここ一年で最も時間を無駄遣いしたと言っても過言ではない上に、気分悪くなりました。最近はあまり良くなかったものにつて書くのは辞めようと考えていたのですが、これは書かずにはいられません。ただの悪口には留めないのでご容赦下さい。
 まず最高の方ですが、原宿VACANTで催された、平川武治というファッション評論家の方の講演会、lepli会に参加したことです。これについてはもう少し後で、これについてだけ書こうと思っていますが、本当に貴重な話しが聞けましたし、久しぶりに信用に足る大人を見た気がします。自分が日頃考えている事があながち間違えていないということもわかりましたし、色々なことがクリアーになった感覚がありました。やはり、人も動物ですから勘が強く働いたときはそれを信じていいのではないかと思います。
 最悪の方は、written after wordsの新作の展示インスタレーションです。前日の最高の対になる形で最悪と申しましたが、これが大げさでもなんでもないから困ります。ここのがっこうではそれなりにお世話にはなりましたが、ここではそんなことは関係ない。
 もうほんとに酷かった。酷すぎる。オペラシティでの展示「感じる服〜」に関しては以前に素晴らしいとまでは言わないものの、デザイナーの山縣さんのやりたい事も理解出来ましたし、あの中で服を一切見せないというプレゼンテーションに面白さも感じていました。が、しかし、新作の服を発表しなくなってから今回で四回目でしょうか。業界では「もう服作れないんじゃないの?」などと揶揄されているようですが、今回のものは、ストーリーや内容はともかく、クオリティの面で正直プロが発表するレベルのものではなかったと思います。見た瞬間、あまりのことに血の気が引きました。そして、血の気が戻ると、目の前に並べられている“オー!マイキー”よろしくなマネキンたちを全て蹴散らしてやりたいという衝動に駆られました。あれをどんな詭弁で、何も考えていないチルドレン達に語るのでしょうか。そして、展示内容はもとより、あの日のVACANTはにわかおしゃれで業界人気取りのキッズをはじめとして、私が嫌悪する、ファッション業界っぽい気色悪さに溢れていていました。
 今回については本当に残念というしかありません。山縣さん、がっかりです。あなたは、私たちに、作品のクオリティについて、ことあるごとに言及されてきました。そのクオリティはこの程度ものだったのですか。違いますよね。私は、あなた方いわゆるヨーロッパ帰りコミュニティーの中では、今現在あなたにしか可能性を感じません。圧倒的な勘違見せてください。次は服を発表するようですので、そちらに期待しています。
 ただ、前日の平川さんの話しの中に山縣さん達の話しもあり、ここのがっこうに参加したとき感じた、あの締まりのない感じは、講師の方の人となりに由来していることがわかりました。下記において、勢井も言及していますが、私は今回の事から、“ここのがっこう”と“AKB48”、そして日本におけるSNSの共通点を見たように思います。
 日本のファッション教育に対する異議申し立てするという志は低くはないと思う“ここのがっこう”ですが、ヨーロッパの名門ファッションスクールという権威を武器に、ブランド大好き日本人にマーケティングをし、西山氏のIT’s大賞受賞でその名が急速に広がり、生徒は増えたが質(作品のではなく、人間的な素養の)が下がったこと、これは善くも悪くも誤算だったはずです。そして、彼らが権威主義的素振りを見せないことも戦略の一つといったところか。
 現在のここのがっこうを見ていると、“会いにいけるデザイナー”に群がる単なるファッション好きの集合という要素があると思います。もちろん、志高く真剣に取り組んでいる方もいます。ただ、全体で見ると冷やかし半分で集まる野次馬が増えていることも事実。そして、盲目的にアイドルを信じ、従っていく姿勢。そして、少し都合が悪い事実はスルー。表面的な関係であるが故に、本心は隠されたままで、妙に多い横の繋がり。もっと、闊達な議論が交わされ、健全な批評行為が行われるべきだと感じます。ここのがっこうの生徒で、山縣さん本人に、今回の展示に関して苦言を呈した人は果たして何人いたのでしょうか。言わない人は、本当に心からあの展示を良かったと思ったのか。だとしら、見る目ないね。笑 
あーあ、結局悪口になっちゃった。てへぺろ。

こんばんは、勢井です。シュトックハウゼンのコンタクテにめろめろです。
今日は私もすこしだけ。リトゥンのインスタレーションについて。
内輪感で充満したあの感じはやっぱり違うと思った。遠くから見ること、疑うことはいつ何時も必要だと、余計に感じさせられた。彼らは陶酔なのか、ふりなのか。空虚なこの胸の内。倒れるマネキンに笑顔で慌てる助手たちよ。あの内輪の中には、残念ながら否定的なクエスチョンが頭上に浮かんでしまった人が絶対にいたと思います。でもそんなことは聞かないし言わないのです。
アーメン。